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Japanische Klassiker mit Furigana

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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

でもそれも長くは続かなかった。その中軒並みに『出征兵士の家』や『英霊の家』が出来て、看板の価値や威力は、暴落の一途をたどったからである。

「ねえ。お母さん」

母親に並んで縁側に腰をかけながら、栄介は言った。

「もう葬式はやめようよ。合同慰霊祭で済んだことだから」

「そうだね」

ふくらんだ眼で母親はうなずいた。

「お前がいいようにおし。お前に委せるよ」

城介の戦病死通告の頃から、母親の中にある転機が来ているようであった。強くなったのか、弱くなったのか。強いというのは幸太郎に対してであり、弱いというのは栄介に対してという意味である。母親は続けて言った。

「やめるのなら、幸義兄さんには、あたしが話をつけるよ」

幸太郎が葬式を出したがっていることは、栄介も知っていた。どうして彼はそんなに葬式をやりたがるのだろうと、栄介は思う。本家の威武を示したいからなのか。それとも葬式そのものに興味があるのか。

どう話をつけたのか知らないが、とにかくそれは取止めになり、一週間後に栄介は母親といっしょに、遺骨をたずさえて汽車に乗り、菩提寺に行った。遺骨は本堂で読経を受け、戒名がつけられた。