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Japanische Klassiker mit Furigana

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ねことしょうぞうとふたりのおんな

猫と庄造と二人のおんな

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 猫と庄造と二人のおんな (ねことしょうぞうとふたりのおんな) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.020 Zeichen · 131 Bildschirme

Aozora Bunko

それと云うのは、今迄十年の間と云うもの、成る程随分可愛がってはやったけれども、いつでもたった二人ぎりの、淋しい心細い生活ばかり味わせて来たのであった。何しろ彼女が連れて来られたのは、母親と庄造と、親一人子一人の時代だったから、とても神港軒のコック場のように賑やかではなかった。そこへ持って来て母親が彼女をうるさがるので、忰と猫とは二階でしんみり暮らさなければならなかった。そう云う風にして六年の歳月を送った後に、品子が嫁に来たのであるが、それは結局、この新しい侵入者から邪魔者扱いされることになって、一層リリーを肩身の狭い者にしてしまった。

いや、もっともっと済まないことをしたと思うのは、せめて仔猫を置いてやって、養育させればよかったのに、仔が生れると成るべく早く貰い手を捜して分けてしまい、一匹も家へ残さない方針を取ったのであった。そのくせ彼女は実によく生んだ。外の猫が二度お産をする間に、三度お産をした。相手は何処の猫か分らなかったが、生れた仔猫たちは混血児で、鼈甲猫の俤を幾分か備えているものだから、割合に希望者が多かったけれども、時にはそうっと海岸へ持って行ったり、蘆屋川の堤防の松の木蔭などへ捨てて来たりした。