Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ねこぐるま

猫車

宮本 百合子

Lesen Sie 猫車 (ねこぐるま) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.310 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

重蔵には実の子がなくて、夫婦養子をしてある。年より夫婦は経済をきちんと分けて暮しているのであったが、或る日嫁がうちの鶏の生んだ卵を重蔵のところへもって来た。うちで生んだ卵でも、いくつと数えたうえ金を出して買うことにしてある。重蔵は、これまでどおり一箇二銭五厘あての勘定で銭を嫁に渡した。笊をもって縁先に立っていた嫁は、その銭をうけとりながら、よそではこの頃卵一つが二銭八厘する、と云った。その言葉が重蔵の疳にさわった。もういらん、ということになった。嫁が途方にくれて泣き出し、養子が間に入ってあやまって、一つ二銭五厘で又元どおり卵をとるというところに落着したのであった。

「旗を出す竿が、これまでのは短うてせむなというて、竹林に兼吉が近所のもんと連うて行きよった。そしたら、その人がびっくりして、これははや初めて来て見たが愈々見事なものじゃ、一の森じゅうにこれ程のものはない、これだけのこして貰うただけでも大した金目や、と云うたげな。それで、少々考えが違うてきよったふうじゃ」

ハハハハと重蔵は再びお縫の耳をひく笑いかたで高く笑った。おさやは、落付いた慰さめをこめた口調で何か云っている。