Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ねこぐるま
猫車
宮本 百合子
Lesen Sie 猫車 (ねこぐるま) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.310 Zeichen · 35 Bildschirme
そして、しまいには、何かに楯ついているようにむっと、
「もうええ、もうええ、わしは二十六まで嫁はとらん!」
と云った。庄平の家の負債のことは村じゅうが知っていた。この家の下の土地が自分のものでないことも分っている。正一が中学を中途迄しか行けなかったこともしれている。正一がトラックを運転している姿を見るとき村の人々はそのことを思い出したとしても、感心な、と云うであろう。だが、あなたの娘をやりなされと云われれば、それらのことは、全く別様の条件となって思い出されて来るのである。
お縫の姉のおたみは、遠縁をたどって神戸の方へ見習いに出ている。そこにも、自分の幸福をさがし求めている娘の心持がある。
五燭の電燈で仕舞風呂に入っているお縫の頭の中から、これらの考えは消えなかった。
レートクリームのかすかな匂いをさせてお縫が中の間に来たときは、おさやも加わって、一しきりうつらうつらの醒めた頃合であった。正一が、店のところで、煉炭火鉢の上へ跨りかかるような恰好をし、モジリを着た男と何かかけあっている。
「マアそう云わんと、ちょっとやっつかわせ。手伝うするもんはいるんじゃけに……」