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Japanische Klassiker mit Furigana

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さるとびさすけ

猿飛佐助

織田 作之助

Lesen Sie 猿飛佐助 (さるとびさすけ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.413 Zeichen · 60 Bildschirme

Aozora Bunko

してみると、佐助にとっては、既に自分より強い者はわが師白雲斎のほかになしと、わかった以上、弱い奴ばかしが一月いくらの月謝ほしさの道場を、ほそぼそと張って、それで威張りかえっているような国々を、もう一度てくてくと歩いて帰るのは、これほど退屈な話はない。

そこで、佐助は久し振りの飛行の術で一足飛びに帰ることにした。

が、どこへ帰るのか。俺に帰るところがあろうか。恋しい楓のいる信州へか。いや、アバタの穴が消えぬ限り、楓の前には、会わす顔がない。

そう考えると、佐助は憂鬱だったが、

「往きはよいよいの、中風のような武芸者が相手だが、帰りは怖い雷様を道連れとは、ても洒落た道中かな。えいと叫べば、はや五体は宙を飛んで行く。ぐんぐん登れば雷様を下に見る、不死身の強さは日本一の、猿飛佐助の道中だ」

という洒落が出て来ると、もう憂鬱はけし飛んで、得意満面の鼻歌まじりに、大空を飛んで行った。

そして、九州を過ぎ、中国筋を飛び、大坂、京の上空を過ぎて、近江の上空甲賀の山上まで飛んで来た時の佐助は、虚栄心に動かされやすい、青春客気の昂奮に、気も遠くなるくらい甘くしびれていた。