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Japanische Klassiker mit Furigana

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さるとびさすけ

猿飛佐助

織田 作之助

Lesen Sie 猿飛佐助 (さるとびさすけ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.413 Zeichen · 60 Bildschirme

Aozora Bunko

――おや、来るか鈴鹿の山賊共! 土産話が出来たと見えて、やけに急いだ地獄行き、邪魔な三好が顔出すまでに、こちらも少々急ぎの仕事、一人二人は面倒だ、束になって掛って来い」

そして瞬く間に三百人、一人残さず眠らせてしまって、はじめてほのぼのとした自尊心の満足があった。

三好は楓が自分もまた牢にいることにしばらく気づかなかったので牢を出るのがおくれ、

「三好入道これにあり!」

と、叫んだ時には、もう出る幕は念仏しか残っていず、ぷりぷりと楓に当ったが、楓は耳にはいらず、いそいそと佐助の傍にかけ寄って、

「お見事でござりました」

佐助は月を仰いでいた。

「楓どの、あの月を見やれ、綺麗な月ではござらぬか」

「ほんに、十六夜の月はおぼろに鈴鹿山……」

と、楓がうっとりと歌いかけると、佐助は何思ったか急にそわそわして、

「鹿の子まだらのアバタの穴を……」

照らしているのじゃと下の句を言いざまに、さらばじゃとはや駈け出してしまった。

楓も驚いたが、三好も驚いて、

「おい、猿飛、どこへ行く、待たんか」

と、呼びとめると、はや遠くの方で、

「月も怖いが、お主も怖い。どこへという当てもないが、月にアバタをまごまご曝していては、お主の繩目に掛らざなるまい」