Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.952 Zeichen · 130 Bildschirme
八月三十日
今は、二十九日の夜です。やっと太郎がねて泰子が母さんとお風呂に入って、あたりは静かになり、虫の声が、耳につくようになりました。二十六日と、二十八日とのお手紙二つ枕の下の蒲団の下に敷きおさめて、機会やあると、スエコの飛び交う袂を眺めていましたが、忙しかったり、へばっていたり、さもなければ何となく柳眉の辺が気遣われたりして、それをとらえたのは、只今です。もっとも寿江子の名誉のためにお断りして置かなければなりませんが、機会をあたえるとなれば、全く自ら進んで、提供してくれるのですから、私は大変安心してよろしいのです。
今日は本当に暑かったこと。九〇度を越しましたろう。今日のように暑いと、あの半ズボンが、またお役に立つわけでしょう。三・四日前は、お送りするのが遅すぎて季節はずれのように、思われましたが。
私は暑いと一層、目がマクマクして、気持がいやになります。けれども、今日ではもう氷嚢なしに過せますから、御安心下さい。矢張り神経障碍の一種で、時々「マシン」のようにポッとふくれて、痒い処が出来て困りますが、これも、追々「レバア」の利目があらわれれば、なおるものだそうです。