Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.557 Zeichen · 426 Bildschirme
てっちゃんが知っていて、わるくない人間だということでした。人柄のよさ、風流のスケール、現実性いろいろ考え合せ、其はTの求めている程度にやや近いのではないかと感じます。日常性のうるおいになる程度の風流や正義感はTの欲しているものであり、日常の秩序を狂わす程強烈でない趣味として細君が文学的なのもわるくないのが一方の気分のようです。Tは苦労してしっかりしていて、もの分りもよいのは長所ですが、頭が早く、世俗的にもまわります。もしその面を研く結婚をしたら、かなりキメの荒いものになりそうですが、そういうところをNという人のほとぼりのある人柄がつつんで、人生には金と地位以外の目やすのあることを生活の気分としていけたらTのよさも生きそうに思います。
もしあなたが御同意でしたら私はTにこの話をきかしてやり、もし気が向いたら出て来て会って見たりするのもわるくないと思いますが、いかがなお考えでしょうか。これ迄私として可能のありそうな人を知らなかったし一方から云えば、おせっかいをして責任を負うのはいやでした。今だって責任を負わされるのは苦しいが、Tの気持思いやって何か傍観しかねます。