Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ことのそらね
琴のそら音
Lesen Sie 琴のそら音 (ことのそらね) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.985 Zeichen · 42 Bildschirme
「なんて君まで婆さんの肩を持った日にゃ、僕はいよいよ主人らしからざる心持に成ってしまわあ」と飲みさしの巻煙草を火鉢の灰の中へ擲き込む。燃え残りのマッチの散る中に、白いものがさと動いて斜めに一の字が出来る。
「とにかく旧弊な婆さんだな」
「旧弊はとくに卒業して迷信婆々さ。何でも月に二三返は伝通院辺の何とか云う坊主の所へ相談に行く様子だ」
「親類に坊主でもあるのかい」
「なに坊主が小遣取りに占いをやるんだがね。その坊主がまた余計な事ばかり言うもんだから始末に行かないのさ。現に僕が家を持つ時なども鬼門だとか八方塞りだとか云って大に弱らしたもんだ」
「だって家を持ってからその婆さんを雇ったんだろう」
「雇ったのは引き越す時だが約束は前からして置いたのだからね。実はあの婆々も四谷の宇野の世話で、これなら大丈夫だ独りで留守をさせても心配はないと母が云うからきめた訳さ」
「それなら君の未来の妻君の御母さんの御眼鏡で人撰に預った婆さんだからたしかなもんだろう」
「人間はたしかに相違ないが迷信には驚いた。何でも引き越すと云う三日前に例の坊主の所へ行って見て貰ったんだそうだ。すると坊主が今本郷から小石川の方へ向いて動くのははなはだよくない、きっと家内に不幸があると云ったんだがね。