Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
わたくしはこの狭い住家に悪度胸ほどにも落付いた腰を据え、ひたすら葛岡からの安宅先生の消息を待ちながら、一方虎視眈眈という言葉は女にしてはおかしゅうございましょうけれども、まあ、それに似た想いを胸に秘めて、こちらの茶室から鍵の手に曲っている客座敷を居間にする池上を望んで気どられぬよう、この坊ちゃんに飛びかゝる隙を窺っております。
その池上はというと、はじめ、
「蝶ちゃん、怠けるのもいゝが、女学校だけは卒業しといて貰わないと、ちょっと困ることがあるんだ」
と言いました。たぶん家元へ向ってのわたくしに花嫁候補の資格が欠けるためでしょう。そう言いながらわたくしが、いざ学園へ出かける気配いでも見せると、何かかにか理由をつけて引止めます。
わたくしも「はあ、今に行くわ」と返事をして相変らずぐず/\していますと、池上は結局それを悦んで、殆どわたくしの茶室へ朝夕入り浸りです。手に俳句集なのでしょうか和綴の虫喰い本を持って、頁と頁との間へ少し逞ましい指を挟み入れた腕を身体の支えにして、縁側へ庭向きにごろりと横に身体を倒しますと、
「蝶ちゃん、蕪村の句に、
ふたもとの梅に遅速を愛すかな