Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
伝説はその一つで、この山の麓の村々の間に十六の歳に当った娘は登山は叶わないという言い伝えも亦、赤城山頂の湖水に絡まる伝説から来ておるものであった。
赤城の山頂には火口原湖として大沼と小沼と二つの湖水があった。頃はいつの頃か定かに判らないが、山麓の村の長者の家で十六になる美しい一人娘があった。或る時しきりに赤城の登山を望んだ。そこで長者は娘を駕籠に乗せ、供人も多くつけて山へ送った。登るにつれ娘は山が珍らしく四方を見晴して機嫌よげに見受けられた。道は八町峠から小沼を先に見物にかゝった。小沼まで来ると駕籠の中の娘は下りて水が飲みたいと望んだ。供人は何の気なしに娘を駕籠から下ろしてやった。娘は渚に立ち、しばらく沼の水をしげ/\と見詰めているうちさざなみの上に道でも拓かれたように沼の中へ入って行った。供人は立騒いでも、する術なく、娘の姿は水に没してしまった。
欺き悲しんだ長者と妻は金に飽かし人に飽かして、せめて娘の亡骸でもと沼の換え乾しにかゝらせた。大雨が降り続いて乾せども/\沼の水は渇かなかった。四日目である。湖心と見るあたりに黒雲捲き騰り、娘の声として「自分はこの沼の主となった。