Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

おきみはちょっと顔を赭らめましたが、手をつかえて「どうぞよろしく」と言いました。わたくしは、

「そう、結構ですわ、似合のご夫婦」と褒めそやしてやりますと、池上は苦笑して、

「なに、御台所じゃないよ。御側室さまだよ。そのうちには、持参金でもつけてどっかへ片付けてしまうかも知れないよ」

と言いました。わたくしは、いかに何んでも女をあまりに勝手に扱い過ぎる言い草だと義憤を起しましたが、また、こういうことを望みに妾奉公を承知する娘もあることですから、抗議を差し控えています。おきみは池上の言葉は聞えぬ振りをして丸髷へちょっと手をやり、

「若旦那が今日はぜひとも髷に結えと仰しゃるものですから――でも何んだか」

と話の気配いを外らしています。

「蝶ちゃんを驚かすつもりだったのさ」と池上。

あたりはとっぷりと暮れて、川づらの景気はまわりから墨の闇で圧し縮めただけにきら/\華やかに浮上り、空に爆ける花傘も間を近くして、とき/″\は二輪三輪の重ね咲きも見せます。

「玉や――鍵や――」

船や河岸から花火を囃す子供の声。広告の船でしょうか見物船の中に混って白い光を扇形にマグネシュームを燃しております。