Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
しかし何の感想も起らぬらしい。たゞ稀に大きな口を開けて、屈托のない笑い方をして「莫迦にしてるね」と言うぐらいであります。
文吉が帰りかけると老人は利く方の手を挙げて人差指を振り、
「ぶんち、向う新家へ行くか。そしたらな、狸おやじに、俺は丈夫でぴん/\してるとそう言ってやれ。いゝか」
老人が言うまでもなく文吉は本家を出た足でわたくしを急き立てゝ新家の百瀬の店へ行くのでした。
こゝの奥座敷にも一人の老人が病気をして寝ています。それが何だか文吉には本家とお揃いのようで、珍らしいのでした。
人々の話を綜合し、多少はわたくしの観察も加えました本家と新家との関係はざっと次のようでございます。維新の騒ぎの後に江戸で禄や職業に離れた人間の幾人かゞこの町に入り込んだが、その中に盲人が一人あった。忠一という子供を連れていた。盲と言っても、うすく人影ぐらいは見えるので百瀬の本家の先代は、多那川橋の橋番に世話してやって橋銭を取らしていた。理財に長けた盲人なので、橋銭を朝から取り集めて夕方、役場へ納める間の七八時間ほどの間を、急場の金の入用者に融通して利金を取った。その他それに似たような機敏な振舞いをして小金を溜めた。