Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
二人は兄弟とも叔父、甥とも、何とも名状すべからざる親身の繋りになっている。今、わたしから離縁し去った後のお艶の内実の良人は秋雄であったと知った、わたしに死んだお艶に対する未来永劫の義務と思った一部の権利を放棄する念が萌し始めると共に、その空間へ心の軽さ、また寂しさが襲って来る。それはまたわたしへの欺き手の組合人と知りつゝ矢張りわたしを秋雄へ慕い寄らさせずには置かない。
「秋雄、ちょいと三味線を持って来て呉れよ」「珍らしいな、おじさん」
わが恋は細谷川の丸木橋、渡るにゃ恐し渡らねば、思うお方にゃ逢えはせぬ。
さっさ、 やれこら、
わが恋は荒砥にかけし剃刀の、逢いもせなけりゃ切れもせぬ。蛇じゃないぞえ、生殺し。
「いよ/\珍らしいなおじさん。三下りなんて」と秋雄は言った。「うむ、だが、おれたちがお座敷を勤めた若い頃は、どんな乱れた席でも芸妓が三味線を執れば、まあ、形だけでもと言って、お座付をつけ、続いてちょっとでもこの三下りに入ったものだな――それからめい/\客の注文の座興の唄に応じたものだ。今のようにのっけに唱歌調子の流行歌なぞは、芸妓は操にかけてもやらなかった」