Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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でんえんじょうちょうあり

田園情調あり

佐々木 邦

Lesen Sie 田園情調あり (でんえんじょうちょうあり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.319 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

新しいのを買えば二万円かゝる。二月三月食わないでいなければならないからね」

「冗談でしょう」

「本当だ。昔と違う」

「昔の地主さんもサン/″\のようですけれど、新しく地主になった僕達のところだって、税が高いから一向駄目ですよ」

「それは察している」

「肥料と税金で半分は持って行かれてしまいます」

「そんなかね?」

「ひどいもんです。あんた達の方も僕達の方もよくないとすれば、一体誰がよくなったんでしょう?」

「そこが些っとも分らない。いずこを見ても秋の夕暮らしい」

「こういうことを研究する会があってもいゝですな。両方の問題だから、両方から出て」

「両方ってのは?」

「インテリ組と百姓組です」

「見給え。君達の方で溝を拵えているじゃないか?」

「ハッハヽヽ。やっぱり貪念が出るんですな」

「そんなこともないだろうが、何か囚われているところがあるんだよ。何でも一緒にやるんだ」

「一緒というと溝があって二つに分れているからでしょう?」

「うむ。昔からの溝の跡が残っているんだよ。その跡をお互に消すのさ」

「お互にって言葉が出ますから」

「厭だよ、多あちゃん。一々揚げ足を取る」

「ハッハヽヽ。そんな訳でもないけれど、溝が気になるものですから」