Japanische Klassiker mit Furigana
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でんえんじょうちょうあり
田園情調あり
佐々木 邦
Lesen Sie 田園情調あり (でんえんじょうちょうあり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.319 Zeichen · 19 Bildschirme
ファーデナンドは発憤して村を出る。世界中を歩いて、学問も出来、金も溜まって帰って来る。しかしもう五十近くになっている。一方娘さんは村の大地主の息子と結婚する。しかしそれが道楽者だ。女房に冷淡で始終ロンドンへ行っている」
「惣夫さんと違うわね」
と藤岡の朝子さんがからかった。
「そうですよ。今なら離婚訴訟ものだけれど、細君は辛抱して淋しく暮らして年を取る。そこへファーデナンドが帰って来るんだ。昔慕った人が忘れられなくて訊いて見たら直ぐ分った。訪ねて行くと、夕食の支度がしてあった。無論ファーデナンドの為めでない。主人がロンドンから帰って来るという電報が着いたから待っているというので、ファーデナンドも夫人と一緒に待っていた。しかし帰って来ない。十年たっても帰って来ない」
「亡くなったんでしょう?」
「三四年待った時、もう亡くなったのだろうから結婚しましょうとファーデナンドが言い出したけれど、夫人は亡くなった証拠が手に入るまでは堪忍して下さいという。夫人の心は初めからファーデナンドの方へ行っているんだけれど仕方がない。かくして十年の歳月は流れけり」
「ハッピー・エンドよ、結局」