Japanische Klassiker mit Furigana
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でんえんじょうちょうあり
田園情調あり
佐々木 邦
Lesen Sie 田園情調あり (でんえんじょうちょうあり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.319 Zeichen · 19 Bildschirme
皆東京へ行って、大学を卒業したりしなかったりだが、押しなべての村青年とは選を異にする。その約半数は家で農業をやっている。約半数は市の会社銀行学校等に勤めている。残りはノラクラ遊んでいる。市は村から自転車で一走りだ。バスも通う。恵まれた村だ。田園生活と都会生活の両方が出来る。
伊達君はインテリ仲間の筆頭だろう。某大学の文科を出て、市の高等学校に教鞭を執っている。市には一高から三高まである。一高は男子、二高は女子、三高は農林だ。看板だけでは内容が分らない。国道第何号というような仕掛で、軍国的の香がする。それは兎に角、或秋の夕刻、一高の教官の伊達君が授業を終って家路についた時、
「伊達の孝さん」
と呼んで後ろから追いついたものがあった。村の青年会の副会長の小森君だった。
「やあ」
「今お帰りですか」
小森君は下りて自転車を引きながら、
「どうもそうだろうと思って急いで来たんです」
「久しく会わなかったね」
伊達君は小中学校とも小森君と一緒だった。しかしグループが違うから、シミ/″\話す機会がない。
「御無沙汰しています」
「お互だよ」
「ところで、伊達さん、僕はこの間中からあんたに話したいことがあったんだけれど、つい顔が合わないものだから」