Japanische Klassiker mit Furigana
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たばたのきしゃそのほか
田端の汽車そのほか
宮本 百合子
Lesen Sie 田端の汽車そのほか (たばたのきしゃそのほか) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.507 Zeichen · 17 Bildschirme
夜間、青年学校が開かれるようになって遂に苦しさは絶頂に達した。この家は、外部の力で、持てなくなって、友達たちがよりあって、私のいなくなった家を片づけてくれ、私の姿をスケッチした額の下でその家解散の記念写真をとっておいてくれた。
この家に移ったとき、火災保険の外交員が訪ねて来た。借家だときいて一時に索然とした表情になったが、思い直して動産保険をすすめた。そのとき、東京市内で保険率の少い区の名を云った。本郷や上落合はその中にこめられていた。保険には入らなかったが、保険率のやすいところ、つまり火事が伝統的に少いところとして、本郷のことも上落合のあたりも、心には深くとめられた。
関東大震災のときも、本郷は大丈夫であった。西方町という火事なしが名物の一区画さえある。本郷も随分変化して、いくらかあぶなっかしくはあるかもしれないが、先ずそれもあとのこと。火事と空襲とは別箇のものと十分知りながら、わたしも本郷安全説に追随していた。
ところが、一九四五年一月末日神田と本郷の一部が真先に空襲をうけた。それから五月下旬まで、毎月一回、きまって本郷の各部が爆撃をうけつづけた。