Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たばたのきしゃそのほか
田端の汽車そのほか
宮本 百合子
Lesen Sie 田端の汽車そのほか (たばたのきしゃそのほか) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.507 Zeichen · 17 Bildschirme
私たち子供達が田端の汽車見物をしたのは、その坂を下りず、草道を右にきれた崖上であった。ころがり落ちないような柵のあるところで、一人の女の子とそれより小さい二人の男の子とは、永い永い間、目の下に活動する汽車の様子に見とれた。汽罐車だけが、シュッ、シュッと逆行していると、そのわきを脚絆をつけ、帽子をかぶった人が手に青旗を振り振りかけている。貨車ばかり黙って並んでいるところへガシャンといって汽罐車がつくと、その反動が頭の方から尻尾の方までガシャン、ガシャンとつたわってゆく面白さ。白い煙、黒い煙。シグナル。供水作業。実に面白くて帰りたくなるときがなかった。
その間に、ついて来ていた大人は何をしていたのだったろう。誰がついて来たかは覚えていないが、やがて弁当をひらいて、小さい握飯をたべた。
それは正午と限ったことはない。とにかく「汽車を見にゆく」ときにはきっとお弁当がいり、それは、田端で汽車を見ながら食べられなければならなかった。
弁当箱そのものが、子供らには重大な関心をもたれていた。何しろそれはイギリスから父が送ってくれた大小三つの赤トランクであったから。