Japanische Klassiker mit Furigana
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たばたにっき
田端日記
Lesen Sie 田端日記 (たばたにっき) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.435 Zeichen · 9 Bildschirme
〔八月〕二十七日
朝床の中でぐずついていたら、六時になった。何か夢を見たと思って考え出そうとしたが思いつかない。
起きて顔を洗って、にぎり飯を食って、書斎の机に向ったが、一向ものを書く気にもならない。そこで読みかけの本をよんだ。何だかへんな議論が綿々と書いてある。面倒臭くなったから、それもやめにして腹んばいになって、小説を読んだ。土左衛門になりかかった男の心もちを、多少空想的に誇張して、面白く書いてある。こいつは話せると思ったら、こないだから頭に持っている小説が、急に早く書きたくなった。
バルザックか、誰かが小説の構想をする事を「魔法の巻煙草を吸う」と形容した事がある。僕はそれから魔法の巻煙草とほんものの巻煙草とを、ちゃんぽんに吸った。そうしたらじきに午になった。
午飯を食ったら、更に気が重くなった。こう云う時に誰か来ればいいと思うが、生憎誰も来ない。そうかと云ってこっちから出向くのも厄介である。そこで仕方がないから、籐の枕をして、また小説を読んだ。そうして読みながら、いつか午睡をしてしまった。
眼がさめると、階下に大野さんが来ている。起きて顔を洗って、大野さんの所へ行って、骨相学の話を少しした。