Japanische Klassiker mit Furigana
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たばたにっき
田端日記
Lesen Sie 田端日記 (たばたにっき) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.435 Zeichen · 9 Bildschirme
その女の顔をどこかで見たようだと思ったら、四五日前に鎌倉で泳いでいるのを見かけたのである。あんな崔嵬たる段鼻は日本人にもめったにない。それでも小僧さんは、レディ・オヴ・ザ・バアジならございますとか何とか、丁寧に挨拶していた。大方この段鼻も涼しいので東京へ出て来たのだろう。
丸善に一時間ばかりいて、久しぶりで日吉町へ行ったら、清がたった一人で、留守番をしていた。入学試験はどうしたいと尋いて見たら、「ええ、まあ。」と云いながら、坊主頭を撫でて、にやにやしている。それから暇つぶしに清を相手にして、五目ならべをしたら、五番の中四番ともまかされた。
その中に皆帰って来たから、一しょに飯を食って、世間話をしていると、八重子が買いたての夏帯を、いいでしょうと云って見せに来た。面倒臭いから、「うんいいよ、いいよ。」と云っていると、わざわざしめていた帯をしめかえて、「ああしめにくい。」と顔をしかめている。「しめにくければ、買わなければいいのに。」と云ったら、すぐに「大きなお世話だわ。」とへこまされた。
日暮方に、南町へ電話をかけて置いて、帰ろうとしたら、清が「今夜皆で金春館へ行こうって云うんですがね。