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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかからとうきょうをみる

田舎から東京を見る

黒島 伝治

Lesen Sie 田舎から東京を見る (いなかからとうきょうをみる) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.491 Zeichen · 3 Bildschirme

Aozora Bunko

田舎から東京をみるという題をつけたが本当をいうと、田舎に長く住んでいると東京のことは殆ど分らない。日本から外国へ行くと却て日本の姿がよく分るとは多くの海外へ行った人々の繰返すところであるし、私もちょっとばかり日本からはなれて、支那とシベリアへ行ったことがあるが、そのときやはり、日本がよく分るような気がした。しかし東京をはなれて田舎にいるのでは、その筆法は、あてはまらないような気がする。

田舎へきて約半年ばかりは、東京のことが気にかかり東京の様子や変遷を知り進歩に遅れまいと、これつとめるのであるが、そのうちに田舎の自分に直接関係のある生活に心をひかれ、自分自身の生活の中に這入りこんで、麦の収穫の多寡や、村税の負担の軽重に、喜んだり腹を立てたり、近隣の噂話に耳を傾けて笑ったりするようになる。田舎の生活も決して単調ではない。退屈するようなことはない。私の村には、労働者約五百人から、三十人ぐらいのごく小さいのにいたるまで大小二十余の醤油工場がある。三反か四反歩の、島特有の段々畠を耕作している農民もたくさんある。養鶏をしている者、養豚をしている者、鰯網をやっている者もある。