Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おとこぎらい

男ぎらい

豊島 与志雄

Lesen Sie 男ぎらい (おとこぎらい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.878 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

もじゃもじゃ毛のある人が多いのには、びっくりしました。

毛が多くて、革に似た皮膚をしていて、その上、臭がくさいのです。酔った人の息となったら、一層たまりません。いつぞや、井上さんが酔っぱらって、姐さんに甘えて言った言葉を、私は忘れられません。

「酒を飲んだ時の君の息は、はっかの香りがするよ。」

姐さんはきれい好きだし、すっきりしてるから、酒を飲めば、息に薄荷の香りがするかも知れません。けれど井上さんは、反対に、息がくさく穢くなるばかりです。男のひとは皆そうです。熟柿のような息と言いますが、熟柿がどんな臭いか私は知らないけれど、もっともっとひどい臭いです。そのくさい臭は、酒のせいばかりではありますまい。体内にそうしたものがあるからです。体内にむかむかするようなものがあるからです。

そのくさい臭と一緒に、同じ布団の中にはいったら、どんなことになるのでしょう。思っただけでもぞっとします。胸わるくなり、気が遠くなるかも知れません。姐さんが平気でいるのが、私にはふしぎでたまりません。井上さんのお世話になっているから、我慢しているのでしょうか。

ある時、寒い晩でしたが、下の室に炬燵をこさえて、皆でごろ寝をしたことがあります。