Japanische Klassiker mit Furigana
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おとこぎらい
男ぎらい
豊島 与志雄
Lesen Sie 男ぎらい (おとこぎらい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.878 Zeichen · 18 Bildschirme
井上さんが大勢のお客さんを連れて来て、二階は散らかりぱなし、お島さんは帰ってしまい、後片付けは明日にしようということになったのです。特別のジンが持ち出され、私も水にうすめて飲み、息に薄荷の香りがしてきました。
井上さんと姐さんとの間には、酔ってくると、しばしば同じ話が繰り返されます。姐さんの方では、東京都のこんな出はずれの河っぷちより、旧市内の方へ帰りたいというのです。井上さんもそれは同意しますが、適当な家がなかなか見つからないそうです。井上さんの方では、髪にポマードをぬりたくってる男について、姐さんに嫌味を言います。土地の呉服屋の若主人で、衣類反物のことについてはこちらがお客さまですが、うちの喫茶店ではあちらがお客さまです。二階の室と特別な料理や飲み物は、井上さんの連れの人だけに限ったもので、ほかの人はみんな下の喫茶だけです。けれど、喫茶のお客の中にもちょっと区別があって、お酒に摘み物ぐらいは出すこともあります。このお酒について、殊に洋酒について、井上さんは監督がたいへん厳重です。ポマード男、倉光さんに酒を飲ませすぎはしないかと、じわじわ嫌味を言うのです。