Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おとこぎらい

男ぎらい

豊島 与志雄

Lesen Sie 男ぎらい (おとこぎらい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.878 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

やきもちをやいてるのか、からかってるのか、どちらとも分らない調子です。姐さんの方でも、弁解するのやらしないのやら分らない、あいまいな調子です。聞いていて、じれったくなります。どちらとも、もっとはっきりしたらよさそうなものなのに。ほかに話すこともないから、そんなことを酒の肴にしてるのでしょうか。私はジンをなめながら、息に薄荷の香りがますます強くなります。

そうして、皆酔って炬燵にごろ寝をしました。

ふと、私は眼を覚しました。胸がむかつき、息苦しくて、叫びました。

「男くさい、男くさい。」

実際に叫んだかどうか分りません、叫んだつもりでした。同時に、飛び起きました。

まったく、男くさかったのです。井上さんが私の方へ寄ってきて、私の方を向いて、鼾まじりの息をしています。その息が、私の頭や顔にかかったに違いありません。温い、なまぐさい、すっぱいような息です。口を少しあけて、煙草のやににそまった黒い歯を出し、その奥の深い喉から、音を立ててくさい息が出て来ます。酒の臭いだけではありません。

「男くさい。」

息をつめて坐り直しました。

「どうしたのよ、寝呆けているわね。