Japanische Klassiker mit Furigana
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ちくけんだん
畜犬談
Lesen Sie 畜犬談 (ちくけんだん) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.173 Zeichen · 24 Bildschirme
夢の中にまで出てくるんだもの」
「まあ、もうすこしの我慢だ」がまんするよりほかはないと思った。たとえ病んでいるとはいっても、相手は一種の猛獣である。下手に触ったら噛みつかれる。「明日にでも、三鷹から、返事が来るだろう、引越してしまったら、それっきりじゃないか」
三鷹の家主から返事が来た。読んで、がっかりした。雨が降りつづいて壁が乾かず、また人手も不足で完成までには、もう十日くらいかかる見こみ、というのであった。うんざりした。ポチから逃れるためだけでも、早く、引越してしまいたかったのだ。私は、へんな焦躁感で、仕事も手につかず、雑誌を読んだり、酒を呑んだりした。ポチの皮膚病は一日一日ひどくなっていって、私の皮膚も、なんだか、しきりに痒くなってきた。深夜、戸外でポチが、ばたばたばた痒さに身悶えしている物音に、幾度ぞっとさせられたかわからない。たまらない気がした。いっそひと思いにと、狂暴な発作に駆られることも、しばしばあった。家主からは、さらに二十日待て、と手紙が来て、私のごちゃごちゃの忿懣が、たちまち手近のポチに結びついて、こいつあるがために、このように諸事円滑にすすまないのだ、と何もかも悪いことは皆、ポチのせいみたいに考えられ、奇妙にポチを呪咀し、ある夜、私の寝巻に犬の蚤が伝播されてあることを発見するに及んで