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Japanische Klassiker mit Furigana

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うみがめ

異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二

岡本 綺堂

Lesen Sie 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.507 Zeichen · 291 Bildschirme

Aozora Bunko

」

わたくしはぎょっとして振り返りましたが、そこらに見識ったような顔は見いだされませんでした。なにかの聞き違いかと思っていますと、もう一度おなじような声がきこえました。しかもわたくしの耳のそばで囁くようにきこえました。

「継子さんは死にましたよ。」

わたくしはまたぎょっとして振り返ると、わたくしの左の方に列んでいる十五六の娘――その顔だちは今でもよく覚えています。色の白い、細おもての、左の眼に白い曇りのあるような、しかし大体に眼鼻立ちの整った、どちらかといえば美しい方の容貌の持主で、紡績飛白のような綿入れを着て紅いメレンスの帯を締めていました。――それが何だかわたくしの顔をじっと見ているらしいのです。その娘がわたくしに声をかけたらしくも思われるのです。

「継子さんが亡くなったのですか。」

ほとんど無意識に、わたくしはその娘に訊きかえしますと、娘は黙ってうなずいたように見えました。そのうちにあとからくる人に押されて、わたくしは改札口を通り抜けてしまいましたが、あまり不思議なので、もう一度その娘に訊き返そうと思って見返りましたが、どこへ行ったかその姿が見えません。