Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぎわく

疑惑

江戸川 乱歩

Lesen Sie 疑惑 (ぎわく) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.308 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

「五十だ、君はきっと、その年でと審しく思うだろうね。実際親父はもう、半分位気が違っていたのかも知れない。若い時分からの女と酒の毒でね。……夜など、何の気なしに家に帰って、玄関の格子を開けると、そこの障子に、箒を振り上げて、仁王立ちになっている兄貴の影がうつっていたりするのだ。ハッとして立ちすくんでいると、ガラガラというひどい音がして、提燈の箱が、障子をつき抜けて飛んで来る。親父が投げつけたんだ。こんなあさましい親子が、どこの世界にある……」

「…………」

「兄貴は、君も知っていた通り、毎日横浜へ通って、○○会社の通訳係をやっているんだが、気の毒だよ、縁談があっても、親父の為にまとまらないのだ。そうかといって、別居する勇気もない、みじめな母親を見捨てて行く気には、どうしてもなれないというのだ。三十近い兄貴が、親父ととっ組あったりするといったら、君にはおかしく聞えるかも知れないが、兄貴の心持になって見ると、実際無理もないんだよ」

「ひどいんだねえ」

「おとといの晩だったて、そうだ。親父は珍しくどこへも出ないで、その代りに朝起きるとから、もう酒だ。一日中ぐずぐず管をまいていたらしいのだが、夜十時頃になって、母親が余りのことに、少しおかんをおくらすと、それからあばれ出してね。