Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎわく
疑惑
江戸川 乱歩
Lesen Sie 疑惑 (ぎわく) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.308 Zeichen · 37 Bildschirme
とうとう、母親の顔へ茶わんをぶっつけたんだよ。それが、丁度鼻柱へ当って、母親は暫く気を失った程だ。すると、兄貴がいきなり親父に飛びついて胸ぐらをとる、妹が泣きわめいて、それを止める、君、こんな景色が想像出来るかい。地獄だよ、地獄だよ」
「…………」
「若しこの先、何年もああいう状態が続くのだったら、おれ達は到底堪え切れなかったかも知れない。母親なんか、その為に死んで了ったかも知れない。あるいはそうなるまでにおれ達兄弟のたれかが、親父を殺して了ったかも知れない。だから、本当のことをいえば、おれの一家は、今度の事件で救われた様なものなんだよ」
「お父さんがなくなったのは、昨日の朝なんだね」
「発見したのが五時頃だったよ、妹が一番早く目を覚したんだ。そして、気がつくと、縁側の戸が一枚開いている。親父の寝床がからっぽだったので、てっきり親父が起きて庭へ出ているのだろうと思った相だ」
「じゃ、そこからお父さんを殺した男が、はいったんだね」
「そうじゃないよ。親父は庭でやられたんだよ。その前の晩に、母親が気絶する様な騒ぎがあったので、さすがの親父も眠れなかったと見えて、夜中に起きて、庭へ涼みに出たらしいのだ。