Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 痴人の愛 (ちじんのあい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.399 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

「ついこの間からですの」

「あたくし」

と、ナオミも相手の「わたくし」口調に釣り込まれながら、

「今拝見しておりましたけれど、随分お上手でいらっしゃいますのね、よっぽどお習いになりましたの?」

「いいえ、わたくし、やる事はあの、前からやっておりますけれど、ちっとも上手になりませんのよ、不器用だものですから、………」

「あら、そんなことはありませんわ。ねえ浜さん、あんたどう思う?」

「そりゃ巧い筈ですよ、綺羅子さんのは女優養成所で、本式に稽古したんだから」

「まあ、あんなことを仰っしゃって」

と、綺羅子はぽうッとはにかんだような素振りを見せて、俯向いてしまいます。

「でもほんとうにお上手よ、見わたしたところ、男で一番巧いのは浜さん、女では綺羅子さん………」

「まあ」

「何だい、ダンスの品評会かい? 男で一番うめえのは何と云っても己じゃねえか。―――」

と、そこへ熊谷がピンク色の洋服を連れて割り込んで来ました。

このピンク色は、熊谷の紹介に依ると青山の方に住んでいる実業家のお嬢さんで、井上菊子と云うのでした。もはや婚期を過ぎかけている二十五六の歳頃で、―――これは後で聞いたのですが、二三年前或る所へ嫁いだのに、あまりダンスが好きなので近頃離婚になったのだそうです。