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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 痴人の愛 (ちじんのあい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.399 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

―――断って置きますが、私は頑健岩の如き恰幅ではありましたけれども、身の丈は五尺二寸ばかりで、先ず小男の部だったのです。―――が、彼女の骨組の著しい特長として、胴が短く、脚の方が長かったので、少し離れて眺めると、実際よりは大へん高く思えました。そして、その短い胴体はSの字のように非常に深くくびれていて、くびれた最底部のところに、もう十分に女らしい円みを帯びた臀の隆起がありました。その時分私たちは、あの有名な水泳の達人ケラーマン嬢を主役にした、「水神の娘」とか云う人魚の映画を見たことがありましたので、

「ナオミちゃん、ちょいとケラーマンの真似をして御覧」

と、私が云うと、彼女は砂浜に突っ立って、両手を空にかざしながら、「飛び込み」の形をして見せたものですが、そんな場合に両腿をぴったり合わせると、脚と脚との間には寸分の隙もなく、腰から下が足頸を頂天にした一つの細長い三角形を描くのでした。彼女もそれには得意の様子で、

「どう? 譲治さん、あたしの脚は曲っていない?」

と云いながら、歩いて見たり、立ち止って見たり、砂の上へぐっと伸ばして見たりして、自分でもその恰好を嬉しそうに眺めました。