Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 痴人の愛 (ちじんのあい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.399 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

それからもう一つナオミの体の特長は、頸から肩へかけての線でした。肩、………私はしばしば彼女の肩へ触れる機会があったのです。と云うのは、ナオミはいつも海水服を着るときに、「譲治さん、ちょいとこれを篏めて頂戴」と、私の傍にやって来て、肩についているボタンを篏めさせるのでしたから。で、ナオミのように撫で肩で、頸が長いものは、着物を脱ぐと痩せているのが普通ですけれど、彼女はそれと反対で、思いの外に厚みのある、たっぷりとした立派な肩と、いかにも呼吸の強そうな胸を持っていました。ボタンを篏めてやる折に、彼女が深く息を吸ったり、腕を動かして背中の肉にもくもく波を打たせたりすると、それでなくてもハチ切れそうな海水服は、丘のように盛り上った肩のところに一杯に伸びて、ぴんと弾けてしまいそうになるのです。一と口に云えばそれは実に力の籠った、「若さ」と「美しさ」の感じの溢れた肩でした。私は内々そのあたりにいる多くの少女と比較して見ましたが、彼女のように健康な肩と優雅な頸とを兼ね備えているものは外にないような気がしました。

「ナオミちゃん、少うしじッとしておいでよ、そう動いちゃボタンが固くって篏まりゃしない」