Japanische Klassiker mit Furigana
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しろいかべ
白い壁
本庄 陸男
Lesen Sie 白い壁 (しろいかべ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.697 Zeichen · 51 Bildschirme
それから長いことかかって教室が変に静まる、すると子供たちは杉本の顔を見つめてにたにた笑いだした。
「先生――修身だあ」とひとりの子供が突然一声叫んだ。
杉本は教卓のそばに椅子を寄らせて、顎杖をつき、ひとわたり子供を見わたした。窓は豊富に仕切られ白い壁は光線に反射しているのであるから、子供たちのさまざまな顔はがらん洞に明るすぎ、かえって重苦しく重なっているのだった。口を開けっ放しにして天井ばかり見ているもの、眼をしかめたり閉じたりぐるぐるまわしたりしているもの、洟汁を絶えず舌の先で啜っているもの――いちおうは正面を向いて、何か教師の言いだすことを待ち設けている恰好はしていたが、じつのところそれは何年かの学校生活で養われた一つの習慣であった。低能児はそれにふさわしくぽかんとそうしている。教師もまたぽかんとして子供の顔を一眸におさめていた。
「先生――」と思いだしてまた一人が叫ぶのであった。「さ、早く修身をやろうよ、先生……」
「よろしい、では修身!」
それを聞くと子供たちはがたがた机の蓋を鳴らした。彼らは薄っぺらなその教科書をひきずりだす。そして中には足をふみならして何か喜ばしそうに、修身だあ修身だあと節をつけたり口笛を吹いたりした。