Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しろいはなあかいくき

白い花赤い茎

田中 貢太郎

Lesen Sie 白い花赤い茎 (しろいはなあかいくき) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.634 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

と寡婦は云った。

「何、此の路は、わけはありませんよ、いっしょにまいりましょう、お前さんは何方まで……」

「私は、直ぐ山のむこうまででございます」

「それでは私といっしょにいらっしゃい、私もむこうの在所まで帰ります」

「どうかお願い申します、これで助かりました、私は一人でどうしようかと思いました」

「何、こんな山は、眼をつぶってても歩けますよ、さあ、参りましょう」

老婆が前に立って歩くので、寡婦は其の後から跟いて往った。心が安まってくると寒さが身に滲みて来る。

「お前さん、何処へいらしておりました」と、老婆は歩きながら聞いた。

「私は親類の餅搗を手伝いに往っておりました、遅いと山が危険いから泊って往けと云われましたが、小供が餅を待っておりますから、早く帰りたいと思いまして」と、寡婦は後から云った。

「それではお前さんは、餅をお持ちになっておりますか、誠に申し兼ねますが、私は今朝からなにも喫べておりません、どうか一つ其の餅を分けてくれませんか」

寡婦の右の肩には風呂敷に包んだ餅があった。数多には無い餅であるが、一つやそこいらは分けてやってもかまわなかった。それに路を教えてくれる礼もあった。