Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しろいはなあかいくき

白い花赤い茎

田中 貢太郎

Lesen Sie 白い花赤い茎 (しろいはなあかいくき) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.634 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

「三人の小供に貰って往きよる物ですから、たくさんにはありませんが、今晩のお礼に、ほんの一つ分けましょう」

寡婦は足を止めて風呂敷包を胸のあたりへ執り、結目の間から手を入れて、二つの餅を執り出してみると、老婆が背後向きになって黄ろな掌を出しているので、それに載せてやった。

「これはありがとうございます」

老婆はくるりと前に向き直って、餅を喫べながらあるいた。そして、暫く歩いていると、彼女はまた立ち停って背後を向きながら云った。

「誠に申し兼ねますが、もう一つお餅を分けてもらえますまいか、お腹が空いて困りました」

寡婦は老婆のあつかましい心が憎くなったが、此所で老婆に捨てられては困ると思ったので、しかたなくまた二つ出してやった。

「あとはもう小供に執って往かねばなりません、これきりしかあげられませんよ」

老婆はにっと笑いながらそれを貰って歩きだしたが、間もなくまた立ち停って背後を向いた。

「お媽さん、誠にすみませんが、私はお腹が空いて歩けませんが……」

寡婦は突き飛ばしてやりたい程に老婆が憎らしかった。

「お婆さん、もう駄目ですよ、あとは小供に執ってってやらないと、小供が待っておりますから」