Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しろすみれとしいのき

白すみれとしいの木

小川 未明

Lesen Sie 白すみれとしいの木 (しろすみれとしいのき) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.429 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

三

ちょうどそこへ、薪を負ったおじいさんが通りかかりました。そして弟を見つけて、こんなところに少年がいたのでびっくりいたしました。

三

おじいさんは、この山中にただ一人住んでいる不思議な人間でありました。弟は、おじいさんの小屋につれられてまいりました。

「こんな山中だけれど、なに不自由はない。長くここに住めば、春、夏、秋、冬、いろいろの美しいながめもあれば、楽しみもある。おまえはいいと思ったら、いつまでも住むがいい。」と、おじいさんはいいました。ふもとには、温泉もわいていたのであります。

そのうち雪が消えて春になりました。弟は、故郷が恋しくなりました。いまごろ兄さんはどうしていなさるだろうかと思いました。そのことをおじいさんにいいました。するとおじいさんは、木の実と草の種子を弟に与えました。

「この草の種子は、白すみれだ。おまえが、この種子をまきながらいけば、またここへ帰ってくるような時分に白い花が咲いているので路がわかる。この木の実は、おまえが腹が減ったときに食べるしいの実だ。」といいました。

弟は、最初、この山へくるときには、雪の上を渡って一夜にきましたけれど、雪が消えてからは、森や、林や、河があって、五日も六日も歩かなければ、自分の生まれた村に帰ることができませんでした。