Japanische Klassiker mit Furigana
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しらねのふもと
白峰の麓
大下 藤次郎
Lesen Sie 白峰の麓 (しらねのふもと) von 大下 藤次郎 (おおしたとうじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.238 Zeichen · 45 Bildschirme
焼畑は、その焼灰が肥料となって、三、四年は作物も出来る。それから後はそのまま捨ておいて、十七、八年目に更に同じことを繰返すのだという。
宗忠は、暮れぬ間に湯島へ往って、今夜の食料を持って来るという。湯島へゆくなら何か駄菓子でも買って来よといえば、そんなものは村にはないという。砂糖でもよいといえば、正月か祭の時ででもなければ誰の家でも持たぬという、なるたけ早く帰りますと言捨てて、猿の如く麓を目がけて走り去った。
秋の西山一帯は、午後三時の日光をうけてギラギラと眩しいように輝いている、常磐木の緑もあろう、黒き岩もあろう、黄なる粟畑もあろうが、それらは烈しき夕陽に、ただ赤々と一色の感じに見える。その明るい中を、トンボの小屋はちょうど山蔭にあるので、クッキリと暗く、あたかも切り抜いて貼つけたように、その面白き輪廓を画いている。私は兎の係蹄の仕掛けてあるほとり、大きな石の上に三脚を立てて、片足は折敷いて、危うき姿勢に釣合をとりながら、ここの写生を試みた。
十三
輝き渡っていた西山も、しだいに影が殖えて、肌寒くなって来たので写生をやめ、細い道を伝わって小屋に来た、小屋には宗忠の父なる人がいて、火を燃して私を待っていた。