Japanische Klassiker mit Furigana
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しろがねのえず
白金之絵図
泉 鏡花
Lesen Sie 白金之絵図 (しろがねのえず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.356 Zeichen · 47 Bildschirme
「可厭ではございませんかね、この真昼間。」
「そこが縁起じゃ、禁厭とも言うのじゃよ、金烏玉兎と聞くは――この赫々とした日輪の中には三脚の鴉が棲むと言うげな、日中の道を照す、老人が、暗い心の補助に、烏瓜の灯は天の与えと心得る。難有い。」と掌を額に翳す。
婆さんは希有な顔して、
「でも、狐火か何ぞのようで、薄気味が悪いようでございますね。」
「成程、……狐火、……それは耳より。ふん……かほどの森じゃ、狐も居ろうかの。」
「ええ、で、ございますのでね、……居りますよ。」
「見たか。」
「前には、それは見たこともございますとも。」
老人これを聞くと腰を入れて、
「ああ、たのもしい。」
「ええ……」
と退った、今のその……たのもしい老人の声の力に圧されたのである。
「さて、鳴くか。」
「へい?……」
「やはりその、」
と張肱になった呼吸を胸に、下腹を、ずん、と据えると、
「カーン! というて?」
どさりと樹から下りた音。瓜がぶらり、赤く宙に動いて、カラカラと森に響く。
婆さんの顔を見よ。
半纏着が飛んで帰って、同じくきょとつく目を合せた。
「驚いた……烏が一斉に飛びやあがった。何だい、今の、あの声は。