Japanische Klassiker mit Furigana
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しろがねのえず
白金之絵図
泉 鏡花
Lesen Sie 白金之絵図 (しろがねのえず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.356 Zeichen · 47 Bildschirme
……烏瓜をっただけで下りりゃ可いのに、何だかこう、樹の枝に、茸があったもんだから。」
五
「これ、これ、いやさ、これ。」
「はあ、お呼びなされたは私の事で。」
と、羽織の紐を、両手で結びながら答えたのは先刻の老人。一方青煉瓦の、それは女学校。片側波を打った亜鉛塀に、ボヘミヤ人の数珠のごとく、烏瓜を引掛けた、件の繻子張を凭せながら、畳んで懐中に入れていた、その羽織を引出して、今着直した処なのである。
また妙な処で御装束。
雷神山の急昇りな坂を上って、一畝り、町裏の路地の隅、およそ礫川の工廠ぐらいは空地を取って、周囲はまだも広かろう。町も世界も離れたような、一廓の蒼空に、老人がいわゆる緑青色の鳶の舞う聖心女学院、西暦を算して紀元幾千年めかに相当する時、その一部分が武蔵野の丘に開いた新開の町の一部分に接触するのは、ただここばかりかも知れぬ。外廓のその煉瓦と、角邸の亜鉛塀とが向合って、道の幅がぎしりと狭い。
さて、その青鳶も樹に留った体に、四階造の窓硝子の上から順々、日射に晃々と数えられて、仰ぐと避雷針が真上に見える。
この突当りの片隅が、学校の通用門で、それから、ものの半町程、両側の家邸。