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Japanische Klassiker mit Furigana

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しろがねのえず

白金之絵図

泉 鏡花

Lesen Sie 白金之絵図 (しろがねのえず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.356 Zeichen · 47 Bildschirme

Aozora Bunko

」

十四

円に桔梗の紋を染めた、厳めしい馬乗提灯が、暗夜にほのかに浮くと、これを捧げた手は、灯よりも白く、黒髪が艶々と映って、ほんのりと明い顔は、お町である。

と、眉に翳すようにして、雪の頸を、やや打傾けて優しく見込む。提灯の前にすくすくと並んだのは、順に数の重なった朱塗の鳥居で、優しい姿を迎えたれば、あたかも紅の色を染めた錦木の風情である。

一方は灰汁のような卵塔場、他は漆のごとき崖である。

富士見の台なる、茶枳尼天の広前で、いまお町が立った背後に、

此の一廓、富士見稲荷鎮守の地につき、家々の畜犬堅く無用たるべきもの也。地主。

と記した制札が見えよう。それからは家続きで、ちょうどお町の、あの家の背後に当る、が、その間に寺院のその墓地がある。突切れば近いが、避けて来れば雷神坂の上まで、土塀を一廻りして、藪畳の前を抜ける事になる。

お町は片手に、盆の上に白い切を掛けたのを、しなやかな羽織の袖に捧げていた。暗い中に、向うに、もう一つぼうと白いのは涎掛で、その中から目の釣った、尖った真蒼な顔の見えるのは、青石の御前立、この狐が昼も凄い。

見込んで提灯が低くなって、裾が鳥居を潜ると、一体、聖心女学院の生徒で、昼は袴を穿く深い裾も――風情は萩の花で、鳥居もとに彼方、此方、露ながら明く映って、友染を捌く