Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆりのはな
百合の花
小川 未明
Lesen Sie 百合の花 (ゆりのはな) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.179 Zeichen · 9 Bildschirme
そうするとむこうの圃で「ぎん来う――ぎん来う――。」と呼ぶ声が聞えました。まさしく勇の声であったから、太郎は心のうちで大いに喜んで、早速勇の傍へ行って、いつになく優しい声で、「勇さん、独楽を廻さないか。」と言いました。勇は、また廻せば割られてしまうから、黙ったまんまで首を振るのです。それでも太郎は、どうかして勇を誘い出そうと、肩に手を掛けて、
「僕が今度ぎんを捕ったら上げるから、今日は独楽を廻しましょう。」と云いました。
勇は、
「ほんとうにお呉れか。」
「それはきっと上げるさ。」
「いつ呉れるのだい。」
「明日。」
「何時に。」
「朝上げるよ。」
「でも、また独楽割られるから厭だ……。」
勇は鬱いだ顔付をして、天上に飛んでいる銀蜻蛉を欲しそうに眺めています。
太郎は少し言葉が戦えて、
「勇さん、この間割ったのは堪忍しておくれ? 今日はきっと割らんから。」
「でも、力を入れて撃つんだもの……。」
「力を入れないから。」
「お婆さんが買ってくれたんだもの……。」
「え、お婆さん? が買ってくれたの?……。」
「ああ、もう割っていけんって、今度割ると私が叱られるもの……。」
「鉄胴の独楽かい?」