Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくしょうやのすけのはなし
百姓弥之助の話
中里 介山
Lesen Sie 百姓弥之助の話 (ひゃくしょうやのすけのはなし) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.621 Zeichen · 99 Bildschirme
ある日寮の一室を掃除すると積み重ねた障子の隅からまだ眼の開かない鼠の子が十疋も出た。それを三疋の仔猫を持って来て食わせるとおどろくべき事は、まだ乳ばなれをして間もない粥でなければ食べられない仔猫が、その鼠の子にかぶり付いてうなりながら咬えあるく形相と云うものは全く猛獣性そのものである、ねずみをあてがって初めて猫と云うものの猛獣としての本性がありありと解る。
そうこうしているうちに雄猫の一疋がポックリと死んでしまった。死の原因はよくわからない、後はミケとトラとの二ツになったがこの度はこれが相棒でむつまじく遊びあるいている。この二疋だけは殺し度くないものだと留守の間はよく青年に云いつけ、帰って来れば弥之助手ずから食物を当てがって愛撫をこころみて居ると、さすがによくなずいて弥之助の書斎を離れない。夜は二階へつれて行ってふとんの裾へ寝かしてやる、中へ入れるとまだ爪をかくす事を知らないものだから、処きらわずこちらを引っかいたりまたはなめまわしたり食い付いたりするから、掛布団の間へ入れて寝かしてやる、無精によくねる、いくら寝ても飽きたと云う事を云わない、夜昼寝つづけに寝る、たたき起してほうり出すといやな顔もせず飛びまわったりじゃれついたりする。