Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくめんそうやくしゃ
百面相役者
江戸川 乱歩
Lesen Sie 百面相役者 (ひゃくめんそうやくしゃ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.801 Zeichen · 20 Bildschirme
では、あの百面相役者の、その名にふさわしい幾多の変装姿はそれぞれに、かつてこの世に実在した人物だったのか。
僕は、あまりのことに、自分の判断力を疑った。その時の、Rや僕の理論に、どこか非常なさくごがあるのではないかと疑った。一体「人肉の面」を被って、平気で芝居を演じ得る様なそんな残酷な人鬼が、この世に存在するであろうか。だが、考えるに随って、どうしても、その外には想像のつけようがないことが分って来た。僕は一時間前に、現にこの目で見たのだ。そして、それと寸分違わぬ人物が、ここに写真の中に居るのだ。またRにしても、彼は日頃冷静を誇っている程の男だ。よもやこんな重大な事柄を、誤って判断することはあるまい。
「若しこの想像が当っているとすると(実際この外に考え様がないのだが)すてておく訳には行かぬ。だが、今すぐこれを警察に届けたところで相手にして呉れないだろう。もっと確証を握る必要がある。例えば百面相役者のつづらの中から、「人肉の面」そのものを探し出すという様な。ところで、幸い僕は新聞記者だし、あの役者に面識もある。これは一つ、探偵の真似をして、この秘密をあばいてやろうかな。