Japanische Klassiker mit Furigana
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しんじゅふじん
真珠夫人
菊池 寛
Lesen Sie 真珠夫人 (しんじゅふじん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.296 Zeichen · 578 Bildschirme
」
瑠璃子は、誰に対しても、自己を主張し得る女だった。彼女は、父にでも兄にでも恋人にでも、自己を主張せずには、いられない女だった。
瑠璃子の抗議を、父は憫むように笑った。
「縁談! ハヽヽヽヽ。普通の縁談なら、無論瑠璃さんにも、よく相談する。が、あの男の縁談は、縁談と云う名目で、貴女を買いに来たのじゃ。金を積んで、貴女を買いに来たのじゃ。怪しからん! 俺の娘を!」
父の眼は、激怒のために、狂わしいまでに、輝いた。そう云われると、瑠璃子は、一言もなかったが、そうした縁談の相手は、一体誰だろうかと、思った。
「彼の男が来て娘をやらんかと云う。平素から、快く思っていない男じゃが、折角来て呉れたものだから、無碍に断るのもと、思ったから、与らんこともないと云うと、段々相手の男のことを話すのじゃ。人を馬鹿にして居る。四十五で、先妻の子が、二人まであると云うのじゃ。俺は、頭から怒鳴り付けてやったのじゃ。すると、彼の男が、オズ/\何を云い出すかと思うと、支度金は三十万円まで出すと、云うのじゃ。俺は憤然と立ち上って、彼の男を応接室の外へ引きずり出したのだ。」父の声は、わな/\顫えた。