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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんじゅふじん

真珠夫人

菊池 寛

Lesen Sie 真珠夫人 (しんじゅふじん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.296 Zeichen · 578 Bildschirme

Aozora Bunko

瑠璃子夫人は、それを聴くと、躍り上るようにして欣んだ。

「一葉! 妾スッカリ忘れていましたわ。そう/\一葉がいますね。妾が、今まで読んだ小説の女主人公の中で、あの『たけくらべ』の中の美登利ほど好きな女性はないのですもの。」

「御尤もです。勝気で意地っ張なところが貴女に似ているじゃありませんか。」

秋山氏は、夫人を揶揄するように云った。

「まさか。」

と、夫人は打ち消したが、其の比較が、彼女の心持に媚び得たことは明かだった。

「一葉! そう/\あれは天才だ、夭折した天才だ! 一葉に比べると、紅葉なんか才気のある凡人に過ぎませんよ。」

小山男爵は、信一郎に云い伏せられた腹癒がやっと出来たように、得々として口を挟んだ。

「そうだ! 『たけくらべ』と『金色夜叉』とを比べて見ると、どちらが通俗小説で、どちらが芸術小説だか、ハッキリと分りますね。渥美さんの御意見じゃ、『金色夜叉』よりも六七年も早く書かれた『たけくらべ』の方が、もっと早く通俗小説になっている筈だが、我々が今読んでも『たけくらべ』は通俗小説じゃありませんね。決してありませんね。」

三宅も、信一郎の方を意地悪く見ながら、そう云った。