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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんせつ いしかわごえもん『こうへん』にきたいす

真説 石川五右衛門『後編』に期待す

坂口 安吾

Lesen Sie 真説 石川五右衛門『後編』に期待す (しんせつ いしかわごえもん『こうへん』にきたいす) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 971 Zeichen · 2 Bildschirme

Aozora Bunko

檀君が五右衛門を書くために、はじめて大阪へたつという晩、私たちは銀座で酔っ払った。石川淳もいたようだ。新大阪の記者が檀君につきそっていたね。彼が汽車に乗りおくれないように監視するためであった。

酔っ払う檀君と、それを監視しつつある記者君との滑稽な悪関係は、五右衛門が完結するまでひきつづいて行われる運命のようである。

しかし檀君の監視者は新大阪の記者君だけではないのである。彼は年中誰かに監視されている。私のところへ現れるにも、たいがい監視者をひきしたがえて現れる。共に酔い共に泣くという美談があるが、檀君の場合はすこし、ちがうね。監視者が泣くのは原稿ができないためであるし、檀君が泣くのはワッハ、アッハと笑いすぎるためである。

しかし、檀君もよく戦った。五右衛門を書くことは特に勇ましい戦のようであったらしいね。

彼の五右衛門は明るい。そしてカッタツである。監視者の涙のように清冽でもある。特に文章がダイナミックで、天に飛ぶように躍動している。

だが何よりもこの小説の魅力を構成しているのは、底に鋭くひそみ、みなぎっている作者の詩魂でしょう。

「誰だ?」

と、玄八、おどろく。