Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いしころ

石ころ

山本 周五郎

Lesen Sie 石ころ (いしころ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.450 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

「そもそも合戦とは敵をうち負かすのが根本だ、戦いは勝たなくてはならん、勝つためには一人でも多くの敵を斃すのが戦う者の最上の心得だ、いかに兜首の手柄が多くとも戦に負けては意味がない、肝心なのは勝つことだ、勝つために一人でも多く敵を討つことだ、……新蔵はその心得で戦っている、一番槍も大将首も問題ではない、一人でも多く強敵を討って合戦に勝とうとする、それだけだ、他人がなんと謗ろうとも自分のことはかれ自身がよく知っている、かれこそまことの戦士というべきなのだ」

万三郎は頭を垂れ、両手でかたく膝頭を掴んでいた。伯耆はむすめをかえりみた。

「おまえは多田へ嫁していくらか失望したようだったな、おれには察しがついていた、けれども多田の真のねうちはやがてわかるだろう、わかるときが来るに違いないと思ったからなにも云わなかった、……名も求めず、立身栄達も求めず、ただひとりの戦士として黙々としておのれの信ずる道を生きる、多田新蔵はそういうもののふなのだ、わかるか」

松尾は胸をひき裂かれるように感じた。いつぞや良人が石の素朴について語ったとき、良人の本心をつきとめたように考えた、やっぱり世評どおりの人だったと思った。