Japanische Klassiker mit Furigana
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ケーベルせんせいのこくべつ
硝子戸の中
Lesen Sie 硝子戸の中 (ケーベルせんせいのこくべつ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.825 Zeichen · 28 Bildschirme
今度は重吉が黙った。自分は重ねて言った。
「おれはちゃんと知ってるよ。お前の遊ぶことは天下に隠れもない事実だ」
こう言った自分は、急に自分の言葉がおかしくなった。けれども重吉が苦笑いさえせずに控えていてくれたので、こっちもまじめに進行することができた。
「元来男らしくないぜ。人をごまかして自分の得ばかり考えるなんて。まるで詐欺だ」
「だって叔父さん、僕は病気なんかに、まだかかりゃしませんよ」と重吉が割り込むように弁解したので、自分はまたおかしくなった。
「そんなことがひとにわかるもんか」
「いえ、まったくです」
「とにかく遊ぶのがすでに条件違反だ。お前はとてもお静さんをもらうわけにゆかないよ」
「困るなあ」
重吉はほんとうに困ったような顔をして、いろいろ泣きついた。自分は頑として破談を主張したが、最後に、それならば、彼が女を迎えるまでの間、謹慎と後悔を表する証拠として、月々俸給のうちから十円ずつ自分の手もとへ送って、それを結婚費用の一端とするなら、この事件は内済にして勘弁してやろうと言いだした。重吉は十円を五円に負けてくれと言ったが、自分は聞き入れないで、とうとうこっちの言い条どおり十円ずつ送らせることに取りきめた。