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Japanische Klassiker mit Furigana

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ケーベルせんせいのこくべつ

硝子戸の中

夏目 漱石

Lesen Sie 硝子戸の中 (ケーベルせんせいのこくべつ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.825 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

すると重吉は別に気にかける様子もなく、万事貴方にお任せするからよろしく願いますと言ったなり、平気でいた。刺激に対して急劇な反応を示さないのはこの男の天分であるが、それにしても彼の年齢と、この問題の性質から一般的に見たところで、重吉の態度はあまり冷静すぎて、定量未満の興味しかもちえないというふうに思われた。自分は少し不審をいだいた。

元来自分と妻と重吉の間にただ「あのこと」として一種の符牒のように通用しているのは、実をいうと、彼の縁談に関する件であった。卒業の少し前から話が続いているので、自分たちだけには単なる「あのこと」でいっさいの経過が明らかに頭に浮かむせいか、べつだん改まって相手の名前などは口へ出さないで済ますことが多かったのである。

女は妻の遠縁に当たるものの次女であった。その関係でときどき自分の家に出はいるところからしぜん重吉とも知り合いになって、会えば互いに挨拶するくらいの交際が成立した。けれども二人の関係はそれ以上に接近する機会も企てもなく、ほとんど同じ距離で進行するのみにみえた。そうして二人ともそれ以上に何物をも求むる気色がなかった。