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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひぶん

碑文

豊島 与志雄

Lesen Sie 碑文 (ひぶん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.294 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

若い頃船員だったことがあり、各地の事情にも通じ、いろいろな知識を持っていましたが、どういうわけか、崔家に仕えて、未だ妻も迎えずに暮していました。頑丈な体躯とひどく慇懃鄭重な物腰とが、不思議にしっくりと調和してる男でありました。

徐和は崔範の様子に目をつけながら、全く没表情な顔で丁寧にいいました。

「なにかお気に召すものを、拵えることに致しましょうか。」

崔範はちらと笑みを見せて、答えました。

「いいえ、これで結構です。ちょっと、気分がわるいものだから……。」

「でも、少し召上らなくてはいけないわ。」と冷紅がいいました。

「御心配なことでもありますの。」

崔範は静かに頭を振りました。

「御心配なことなどはございません。いえ決して、そのようなことはございません。」

徐和は強くいいきって、それでも全く表情の分らない顔付で、熱い茶をくんできて差出しました。

崔範は茶碗を無心にもてあそびながら、ゆっくり茶をすすり、それから扇を取って立上りました。

「少し外へ出てみましょうか。」

「ええ、それがよろしいわ。」と冷紅は答えました。

少し薄暗い次の室を通りぬけると、広庭へおりる石段がありました。